料理は嫌いではない。
が、好きでもない。
毎日夕方になると、時間に追われるようにしてキッチンに立っている。
「料理が好きで、キッチンに立つのが楽しい」という人が、心底うらやましい。
私は夫が留守だと全く料理をしないので、1人でもきちんと料理をする人をとても素敵だと思う。
わが家(夫と2人だけですが)の献立は、毎日夫が決めている。
「今日はカレーにしよう。おつまみは、卵とトマトの中華炒めのやつ」とか、
「今日は炊き込みご飯が食べたいな。おつまみはシャケと……」とか。
メインにおつまみ、お味噌汁や、漬物の種類とかも指定があったりする。
私は夫の決めたメニューの材料をメモし、買い物に行くのが日課だ。
食べることにものすごくマメな夫は、自分でレシピを探して、私に送ってきたりもする。
冷蔵庫の中身も私より把握していて、在庫の切れそうな食材の使い道も考えてくれる。
結婚してずっと、私がフルタイムで働いていた時も、専業主婦の今も同じだ。
私の友人達は「うわ、めんどくさー」と言うけれど、私はあまりそう思わない。
(時々は、思う)
「何食べたい?」と聞いて「なんでもいい」と言われたら迷ってしまうし、どうせ時間と労力をかけて作るなら、本当に食べたいものを、喜んで食べてもらいたい。
夫は自分で食べたいものを指定するのだから、当たり前と言えば当たり前だが、毎日「美味しいよ」と食べてくれるし、最後の「ごちそうさま」もちゃんと言う。
お酒もたくさん飲むので、食事の時間も長い。
飲んで食べている時の夫は機嫌よく、おしゃべりになるので、私も嬉しい。
私自身は料理にこだわりがないので、夫のおかげで、まともな食事ができているともいえる。
わが家は、これでいいのだと思う。
今日の夫の希望は餃子だった。
正直、あまり手間のかかる料理はしたくない気分だった。
夫に「餃子が食べたいな」と言われた時、「王将の生餃子焼く?」と軽くとぼけてみたが、無駄だった。
やはり夫の希望は、自宅で包むほうの餃子だった。
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仕方ない。
ついこの間、夏風邪をひいた夫を残して、2週間(実家の母親の介護で)留守にしていたし。
わが家の餃子は、ニラの代わりに、たっぷりのパクチーを入れる。
以前、残り物のパクチーを入れたらすごく美味しくて、それ以来、わが家の餃子はパクチー味だ。
豚ひき肉、白菜、しいたけ、ねぎ、にんにく。
パクチーは2束たっぷり刻んで入れる。
調味料は、ウエイパー、鶏ガラスープの素、しょうゆ、ごま油、塩コショウ少々。
餃子は毎回50個程包んで、焼き餃子と水餃子で食べる。
残った分は生のまま冷凍にしておけば、またいつでも食べられる。
パリパリの焼き餃子も美味しいけれど、どちらかといえば水餃子のほうが好きかも。
パクチーの香りが、より濃く感じられる気がする。
キッチンに立つ前はいつも億劫なんだけれど、一緒に食べる食事は本当に美味しい。
料理は私にとって仕事の1つのようなものだから、満足感と同時に安堵感すらある。
久しぶりのパクチー餃子、本当に美味しかった。
ご馳走様でした。