シン・母 遠距離介護日記+

遠方にいる認知症の母の備忘録を中心に、日常のあれやこれやを書いています。

母の認知症のお薬の記録 8月よりメマリーを開始しました

認知症の薬を始めた経緯

母が飲んでいる認知症のお薬のことを、書いておこうと思います。

 

母が認知症のお薬を始めてから、1年が過ぎました。

2021年6月に、大学病院の脳神経内科で軽度認知症と診断。

私の中には『まだ間に合う。元の母に戻ってくれるんじゃないか』という淡い期待がありました。

その頃の母は、日付や曜日、ゴミの出し方などもちゃんと理解して、なんとか1人で過ごせていたからです。

でも、母の状態が元に戻ることはありませんでした。

2022年3月に再検査を受け、テストの結果や脳の萎縮の状態から、認知症の診断がおりました。

 

この時期の母の様子を書いています↓↓

aoi50202204.hatenablog.com

 

先生からは「認知症の薬は治るわけではないけれど、進行がゆっくりになる人も多くいる」と説明がありました。

少しでも進行が抑えられるなら薬を使いたい。

でも、不安もありました。

その頃の母は、足の手術の直後でひどく痩せていて、食欲もあまりありませんでした。

認知症の薬の副作用で、さらに食欲が落ちて体重が減ることを心配しました。

そこで、飲み薬ではなく、貼り薬のリバスチグミンテープを提案されました。

大学病院には半年に一度しか通えないので、実際のお薬はかかりつけ医院でもらうことになりました。

 

リバスチグミンテープ4.5mg 2022年5月~2022年12月

リバスチグミンテープの副作用は、人によって、貼った部位に赤みやかゆみ等のかぶれが出ることです。

最初のひと月、母にかぶれの症状はみられませんでした。

薬の効果を確かめるための心理テストも前回より少し点数が上がっていて、その時は『薬が効いているのかも!』と喜びました。

 

母は、自分の手が届きやすい左の上腕部にお薬を貼っていました。

母が無意識に剥がしていたのか、寝ている間にはがれていたのか、貼り替えの時に、「(前日貼ったものが)どこにもない」なんてこともありました。

(剥がれ防止に、お薬の上から、さらにメディカルテープを重ねていました)

 

毎日決まった時間に私から「お薬の貼り替えの時間です」のメッセージを送っていましたが、母が貼り替えを忘れることが多くなりました。

そのうち、母1人で貼り替えの手順を追うことも難しくなったようです。

私が毎日ビデオ電話をかけ、一つ一つ声かけをし、電話ごしに2人で確認しながら、テープの貼り替えを行うようになりました。

 

通常リバスチグミンテープは、徐々に容量を増やしていくことが多いようです。

母の場合は、一番少ない4.5mgのままで様子を見ていました。

ひと月過ぎた頃から、心配していた副作用の赤み、かゆみがひどく出るようになりました。

母もつい搔きむしってしまい血がにじんだりして、母の上腕部には、常に赤黒いアザのような跡ができていました。

ずいぶんと、かゆみを我慢していたのだと思います。

「お母さん、大丈夫?」と聞くたびに、「仕方ないから。お母さん大丈夫だから」と言っていました。

 

そんな母の頑張りの甲斐なく、認知症は進んでいきました。

お薬を始めて2ヶ月経つ頃には、日付や曜日の感覚も怪しくなって、ゴミの分別も分からなくなりました。

半年経つ頃には、毎日届く宅配弁当の存在すら忘れて、一日中座って過ごすようになっていました。

この頃の母は、ガクッ、ガクッっと急な階段を下りるように悪くなって、私も戸惑いが大きかったです。

 

結局、リバスチグミンテープ4.5mgの効果は感じられませんでした。

けれど、増量すればさらに皮膚トラブルが出てくる。

毎日ビデオ電話で母に貼り替えしてもらうのも、手間と時間がかかる。

リバスチグミンテープをこれ以上続けても、母には意味がないんじゃないかと思い始めました。

 

幸いなことに、母の食欲はかなり戻っていて、体重も増えていました。

かかりつけ医の先生から大学病院の先生に連絡をとってもらい、リバスチグミンテープを止めて、飲み薬のガランタミン4mg(レミニール)に変更することになりました。

 

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ガランタミン(レミニール)4mg×2回 2023年1月~7月

心配していた副作用は、吐き気や食欲低下ですが、母に目立った様子はありませんでした。

元々食欲にばらつきがあって、認知症になってからは特に、過食と拒食の時期が交互にやってくるような状況です。

母が「あまり食べたくない」と言っても、それがお薬によるものなのかどうかは分からない、が正直なところです。

 

肝心のお薬の効果ですが、昨年の夏と冬に感じた『このひと月で何があった?』というくらいの急激な変化はないように思います。

ただ、確実に認知症は進んでいます。

「ゆるやか」ではなく「スルスルと止まることなく」進んでいる印象です。

 

6月に大学病院で定期検査がありました。

MRIと心理テストの結果、脳の萎縮も進んでいて、前回より点数は下がっていました。

テストの時は私も母の横についているのですが、以前はできていた質問にも全く答えられなくなっていて、切ない気持ちになりました。

 

母の脳画像によると、脳の萎縮に左右差があって、典型的なアルツハイマーの画像とは異なるようです。

嗜銀顆粒性認知症(しぎんかりゅうせいにんちしょう)か、TDP-43プロテイノパチーと呼ばれる新しいタイプの認知症かもしれないと説明がありました。

 

最初に予想していたよりも認知症が進むスピードが速いということで、メマリーの追加を提案されました。

こちらも心配なのは副作用で、人によっては、ひどいめまいやふらつきがあるとのこと。

母は元々足が悪いので、飲み始めは特に注意して、そばで様子をみる必要があります。

私が帰省できるタイミングに合わせて、8月からガランタミンにメマリーを追加することになりました。

 

かかりつけ医の先生からは、ガランタミンの増量について聞かれました。

副作用の問題もあるので、大学病院の先生も、増量については迷ってらしたそうです。

「どうしましょうか?」と聞かれたのですが、私も本当に分かりません。

効果は欲しいけれども、母が副作用で苦しんだり、ぼんやりとして表情がなく過ごす姿は見たくありません。

かといって、私の決断によって母の認知症を進行させてしまったとしたら、それも怖いし、つらい。

認知症の薬については、ネットにもいろんな情報があふれています。

何が正しくて、何がフェイクなのかわからない。

個人差もある。

大切な家族だからこそなおさら、迷っても迷っても、何が正解なのか分からないと思います。

今回はまずメマリーの追加による副作用をみて、ガランタミンの増量については次回まで保留ということになりました。

 

ガランタミン4mg×2回・メマリー 2023年8月~

以下、メマリー飲み始め5日間のメモです。

【1日目】

眠そうだが、いつもとそう変化なし。

本人に聞いても、気持ち悪いなどの自覚症状はないとのこと。

ふらつきもなし。

【2日目】

特に変化なし

【3日目】

午後、いつもの不穏。

食欲がないと言う。胸がムカムカして、頭が冴えないらしい。

情緒不安定気味なので、精神的なものなのか、薬の副作用なのか。

シャワーを浴びたら、気分が良くなった様子。

夕飯にカレーを食べる。問題なさそう。

【4日目】

午前中、頭が少し痛いと言う。

私があれこれ聞くせいか、「ちょっとだけ。ひどくはない」と言う。

食欲はある。

【5日目】

食欲あり。めまい、ふらつき、吐き気なし。

私と兄の認識が怪しくなる時があある。

私が目の前にいるのに、「うちの子どもたちは?」と私に言う。

「お母さんの子どもは私とお兄ちゃんじゃないの?」と言うと、笑ってごまかす。

自分が何かおかしいことを言ってしまったという自覚はまだあるらしい。

その後、特に目立った変化はなし。

メマリーを飲み始めて、2週間程経ちます。

今のところ、心配していためまいやふらつきの様子はありません。

食欲も普通にあるようです。

まずはひと安心なのですが、2週間で安心していいのか、もう少し経ってから副作用が出てくるケースもあるのか、そのあたりの情報がないので、まだ心配です。

 

そして、やっぱり期待してしまうのは、認知症がこれ以上進まないこと。

母が元に戻るとは思っていません。

せめて、母の寿命がつきるまで、少しでも母らしく過ごしてもらいたい。

お薬を飲むことで、少しでも母の身体と生活が良くなりますように。

これからもこうして、薬の記録は書いておこうと思います。