遠距離介護にハイテクは本当にありがたい。
訪問介護サービスはお願いしているが、一日の大半を独りで過ごしている母の安否確認や環境を整えるために、試行錯誤しながらいろいろ取り入れてきた。
見守りカメラ、スマホのビデオ通話、スマートリモコン、遠隔操作アプリ付きエアコン、GPS付きシューズ。
これらがあるおかげで認知症の母を独りで実家に置いておけるわけだし、これらがなかったら今の遠距離介護の生活は成り立たないと言ってもいい。
でも、もちろん万能ではない。
精密機器だから、不具合もある。
先日は、見守りカメラの1台がオフラインになってしまった。
他のカメラで安否確認はできるとはいえ、母の動きがみえないことで、声かけするのに不便なことも多かった。
室温もそうだ。
エアコンが外気温に合わせて室温調整してくれるし、アプリの室温計とスマートリモコンの室温計の2つで確認しているのだが、数字だけで遠隔から母の体感温度を把握するのには限界がある。
母との電話で「ちょっと寒いかも」と言われたのにうっかり調整するのを忘れてしまい、次に電話した時に「ちょっと寒いかも」と再び言われて真っ青になったことがあった。
ハイテク利用で遠距離介護が楽になったとして、もし母に異変が起こったら、最終的にはスタッフさんに連絡するなりして、人の手で助けてもらわねばならない。
考えてみたら全部Wi-Fiありきの設定だから、それこそ停電にでもなったら何の役にも立たない。
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綱渡りだな、と思う。
いつまで母を独りで置いておけるだろうか。
母の認知症の進行が進んでいって独りでいられなくなるのと、母の寿命がくるのとどちらが先になるのか。
私自身、更年期に入って年々体力に自信がなくなっている。
夫も私より先に歳をとっていく。
いつまで遠距離介護を続けていけるのか。
心構えと準備だけは必要だとは思うが、あまりにも先々のことばかり考えていると毎日が不安でいっぱいになってしまうし。
こんな風に何だか気弱な文章になってしまったのは、今朝電話した時に母の元気がなかったからだろう。
梅雨の気候のせいか足の痛みも強いらしく、不穏というか、表情もかたい。
昨晩は日付が変わって1時過ぎ迄起きていて、ようやく寝室に入ったかと安心したら、ベットに腰かけたままウトウトしていた。
電話をかけて横になって眠るように言ったら、半分寝ぼけた様子で「でもまだやることあったと思う」とか言っていて、意味不明なことを言われて、こちらが不安になってしまった。
子どもの頃から私は、母の顔色ひとつで自分の気持ちも左右されてしまうところがあるが、歳をとって、母が認知症になり、私が更年期になってもそれは変わらない。
早く元気になってくれー、と思う。
私も、元気が出ないのだ。
結局、「とりあえず今に感謝して、できることをやりましょう」で締めくくるしかないのだが。