シン・母 遠距離介護日記+

遠方にいる認知症の母の備忘録を中心に、日常のあれやこれやを書いています。

認知症の母から学ぶこと 笑顔は伝染する 逆もまた然り

本日の母の記録 母と私は鏡

朝の服薬のフォローのため、いつものビデオ電話。

今朝の母は、あまり調子が良くなさそう。

足が痛いといって、表情が浮かない。

子どものように、グズグズ不調をうったえる。

スマホの画面越し、アップになった母の眉間に、しわが2本見える。

そんな表情をみると、困惑すると同時に、さみしい気持ちになってしまう。

心の中で、そっとため息をつく。

とりあえず、母に笑顔になってもらわないと。

 

そんな時、一番手軽で、しかも効果的な方法がある。

私が、笑顔になることだ。

ため息を深呼吸に変えて、気持ちを切り替える。

つくり笑いでも、なんでもいいのだ。

とりあえずでも、きごちなくても、かまわない。

口角をあげて、ニッコリ笑顔をつくる。

笑顔を作ると、不思議と、明るく優しい声が出る。

 

お母さん、足痛いんだね。眠れなかった?元気出ない?

 

母は、私の鏡だと思う。

私が笑顔を見せれば見せるほど、険しい母の表情もゆるんでくる。

ようやく母が笑顔になると、私も心から安堵して、つくり笑いじゃない、本物の笑顔になる。

 

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認知症になってからの母は、どんどん無邪気に、子どものようになってきたように感じる。

感情表現がストレートだし、こちらの気持ちや表情もダイレクトに伝わる。

だから、私が母にみせる表情がとても大切だ。

笑顔は伝染する。

 

逆もまた然り。

私がイライラしていたら、母も不穏になって、どんどん情緒が不安定になる。

 

でも母が不穏だからといって、私はその感情をそのまま受け止めるわけにはいかない。

お互いに不穏の連鎖になってしまうからだ。

私に余裕がないと難しい時もあるけれど、人間だもの、そこは仕方ない。

自分が母に不穏を与えていることに気がついたら、そこでリセット、仕切り直しだ。

 

たとえつくり笑いでも、笑顔になると幸せホルモンがでるそうだ。

どんな状況でも、「幸せだ」と思えたら幸せなのだ。

だから、母と私は、今日も笑顔で会話する。

 

こうやって書いていて、ふと思った。

もしかしたら、案外母も、私のために笑顔をつくってくれているのかも。

きっといくつになっても、認知症になっても、母は母だから。