シン・母 遠距離介護日記+

遠方にいる認知症の母の備忘録を中心に、日常のあれやこれやを書いています。

0913の記録 母の「ご飯食べたっけ?」

母は最近、食べたことを忘れることがある。

昨日は夕食にカレーを作った。

私と同じように盛りつけたカレーライスを、ゆっくりゆっくり、最後まできれいに食べた。

ちょっと多くなかったか聞くと、「正直ちょっと無理したけど、残しちゃいけないと思って」と答えていた。

で、30分後。

 

お母さん、ご飯食べたっけ?

そろそろ、ご飯食べようか?

 

物忘れと認知症の違いを説明するとき、よく例として挙げられるのがこれだ。

食べた内容を忘れるのが物忘れ、食べたこと自体を忘れてしまうのが認知症

 

はじめて母のこれを聞いた時、ギョッとしたと同時に『本当に、このセリフ言うんだー』と驚いた。

 

読み漁った認知症関連の本に、共通して書かれていることがあった。

認知症の進行にともなう「何か」が起こったとき、例えば、物盗られ妄想とか、トイレの失敗とか、家族がショックを受けるような出来事が起こったときは「そうきたか」と思えばよい、と。

これは、わかる。

「そうきたか」には、いったん受け止める余裕がある。

「どうして??」「なぜ??」と思うより、ショックや悲壮感を感じにくい。

「それならこっちは……」と、次の手につながる言葉でもある。

 

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母に認知症の兆しがみえた時はショックだったし、戸惑いしかなかった。

いろんな感情が入り混じって、とにかく悲しかった。

最近になってようやく、「認知症になった母」をニュートラルな状態でみることができるようになった気がする。

 

お母さん、さっきカレーライス食べてたよ。ほら、ちょっと食べ過ぎたとか言ってたけど、おなか一杯になってない?

ええー??ホントに?いやだ、覚えてない……苦笑

 

こういう時は、できるだけ何でもないように返したほうが良い。

カレーはしっかり食べていたけれど、口ざみしくなったのだろうか。

もしかしたら、洗いものをするのにキッチンに立つ私をみて、夕飯の支度をしているのかと勘違いしたのかも。

とりあえず、りんごをむいて母の前に置いたら、黙ってシャリシャリと食べていた。

『食事をしている写真を撮っておこうかな』とも思ったけれど、証拠を突きつけるみたいなのもアレかな……と思ったり、全く記憶のない自分の姿を見たら余計に混乱するかな、と思ったり。

そのうち「食べてない」と言い張るような症状が出てきたら、また対応を考えよう。

 

余談だけど、実家にいる時のブログは実に書きにくい。

今はリビングのテーブルで、となりに母が座っている。

私がパソコンに向かっているのが気になるらしく、さっきから何度も「何してるの?」と聞く。

かまってほしいのだろう。

とはいえ、私もずっと母に付き合ってテレビをながめているのもつらい。

時おり、母がパソコンをのぞきこもうとするのも落ち着かない。

見えないとは思うが、「認知症の母」について書いているのだから、多少の気まずさはある。

 

ということで、うまくまとめられなかったけれど、今日のところは終わります。