シン・母 遠距離介護日記+

遠方にいる認知症の母の備忘録を中心に、日常のあれやこれやを書いています。

帰省中の記録 母の洗顔用袖カバーの話 他

帰省時のこと。

いつものように洗顔を済ませた後、母が訴えた。

なんか、ここ冷たいんだけど……

見てみると、肘までたくし上げていた袖口が、ベタベタに濡れている。

気をつけて洗うよう言ったけれど、やっぱり毎回ベタベタになってしまう。

いっつもこうなるけど、どうしてかしらね?

 

私が同じシンクで洗っても、そうはならない。

最初は洗い方が下手なのかと思ったけれど、観察してみたらそうではなかった。

私より10センチ程背の低い母にはシンクが高すぎるらしく、洗顔しようとすると、手よりも肘のほうが下がってしまうのだ。

腰や足が痛いので、深く身をかがめられないというのもあるみたい。

結果、手からこぼれた水が、タラタラと肘のほうまで流れてしまう。

あ~これは濡れるわ……と思ったけれど、足が悪くふらつきの多い母に踏み台を用意するわけにもいかない。

 

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なんかいい方法ないか…と思っていたら、いいものがあった。

母がサイズアウトして着られなくなっていた綿のタートルニットで、ウエスにでもしようと置いてあったものだ。

ハサミで両袖口15センチ程と、首部分を切りとったら、即席の腕カバーとへアバンドになった。

 

翌朝、さっそく(切っただけの)袖カバーを母に装着してもらい、洗顔

袖カバーは濡れたものの、洋服の袖は濡らさずに洗顔することができた。

ちっちゃなことだけど毎日のことなので、解決して良かった。

 

夜、NHKクローズアップ現代で「認知症行方不明者 1万8000人の衝撃」を視聴。

母と7時のニュースを観ていた流れで入ったので、突然の「認知症」の文字にちょっと身構えたけれど、母が特に反応を示さなかったので、そのままチャンネルを合わせておいた。

内容は、認知症の程度が比較的軽い人達に、行方不明者が増えているということだった。

記憶障害は出始めているけれど介護の必要はなく、身体は元気で体力もある、という人が、1人で外出したまま迷ってしまい帰ってこれなくなるらしい。

母と重ねてしまい、ご本人はもちろん、待つご家族のことを思うと心が痛い。

 

足の悪い母の場合、外出意欲があまりないのと、そもそも脚力がないので、1人で遠くに行ってしまうことは考えにくい。

それでも何が起こるかわからないので、杖には私の連絡先が入ったQRコード付きキーホルダーを付け、靴もGPS付きシューズに買い替えた。

自宅から500m圏内を出たときには、私のスマホに通知が入るよう設定している。

 

昨年は、小さな困りごとから危険が及ぶようなことまで、いろんな問題が起こってきて、「困った、どうしよう」「一体どうしたらいい?」の連続だった。

少しづつ環境を整えてきて、最近は以前よりも落ち着いた生活を送れるようになっている。

いつまでこの状態が続けられるか分からないので、母の症状がまた一段進んだ時には、また次の対処方法を考えなきゃいけなくなるんだろう。

不安はつきないけれど、ひとつひとつ解決していくしかない。

 

母は特に表情も変えずに、いつものようにテレビを観ている。

どこまで理解しているのか、理解していないのか。

自分事として感じることはあるのか、他人事として観ているのか。

認知症の母と2人で、認知症を扱う番組を観ている。

なんとも不思議な気持ち。

 

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