シン・母 遠距離介護日記+

遠方にいる認知症の母の備忘録を中心に、日常のあれやこれやを書いています。

ミッション:インポッシブルでIMAX初体験

金曜の夜、夫と『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング』を観に行った。

ミッション:インポッシブルシリーズは大好きで、全作を映画館で観ている。

第1作目なんて、もはや誰と観に行ったのかも思い出せないけれど、調べてみたら1996年のことで27年も経っていることにびっくり。

観終わった後、夫が「トム・クルーズも歳とったな」と言っていたけれど、30年近くも経てば、そりゃそうだろう。

還暦であのアクションは「すごい」を超えていると思うし、歳をとってもトム・クルーズはやっぱりトム・クルーズ、格好良い。

何が起こっても不死身のイーサン・ハント、絶対死なないとは思っていても、はじめから終わりまで緊張の連続で、きっと私の血圧は上がっていたと思う。

次作も、絶対に観に行かなければ。

 

夫も私も、つい最近までIMAXを知らなかった。

ミッション:インポッシブルIMAXがいい」というのを聞いて、よく下調べしないまま当日になった。

音がいいんだよね、くらいの認識だった。

本編の前にIMAXの紹介?のようなものがあって、初めてIMAXを体感。

地響きのような、身体が揺れるような感覚、その音響効果と迫力に驚いてしまった。

そのイントロだけで、テーマパークでアトラクションを一つ体験したような感じ。

夫も「すごいな」とつぶやいていて、思わず顔を見合わせてしまうくらい驚いた。

知らない間に、映画館ってこんなに進化していたのね。

 

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映画を観る時はいつも、後方通路側の席をとっている。

「もしトイレに行きたくなったら」とか「もし緊急の電話がきたら」とか気になりだすと、落ち着いて鑑賞できないからだ。

行ってみると、私達のまわりはほとんど空席だった。

IMAX効果をより感じられるのか、「前方寄りの中央」あたりに人が密集している。

『なるほど、IMAXはそうなんだ』と思ったけれど、空いた座席はのんびりと気楽に過ごせて良かった。

 

予告の途中でカップルが入ってきて、通路を挟んだ反対側の席に座った。

暗いのであまり見えなかったが、男性は30~40代くらいだろうか。

ある映画の予告で「IMAX上映」とかなんとかテロップが映った瞬間、「IMAXって……何?」とつぶやくのが聞こえた。

(IMAXのイントロは終わった後だった)

『知らないで来たんだな』と、お仲間意識でほほえましく思っていたら、次の映画の時も、再び「IMAXって……何?」とつぶやいていて、ささやくような口調がツボにハマってしまい、妙に可笑しかった。

次の予告のタイミングでもあるかと思って少し待ったけれど、さすがに3回目はなかった。

あとから夫に、その時の可笑しさを伝えたかったけれど、うまく伝え切ることができず残念だった。

 

映画に出かける前、母とビデオ通話をして「これからトム・クルーズの『ミッション:インポッシブル』を観に行く」と伝えた。

『わからないかな…』と思いながら話したけれど、ちゃんとトム・クルーズの名を覚えていたようで、「お母さん、昔好きだった」と言う。

最近の母にとって、名前だけで記憶が呼び起こされることは非常にめずらしい。

さすがトム・クルーズ

 

母は一時期ハリウッド映画にハマったことがあって、TSUTAYAでビデオを借りてきては毎日のように鑑賞し、自作のノートに記録をつけていた。

日付からキャストから、それはそれは細かくきちんと記入して、よく映画の感想を聞かされたものだ。

雑誌「ロードショー」の付録だったトム・クルーズのポスター(白い歯を見せて笑っている、ものすごいカッコいいやつ)を部屋に貼っていたこともある。

そんなことを母に伝えると、母も楽しそうに「うん、うん」とうなづく。

 

認知症になっていろんなことを忘れてしまった母が、トム・クルーズの名前に反応したことが、なんだか嬉しかった。

久しぶりに母と、「記憶の共有」の感覚を味わった時間だった。