シン・母 遠距離介護日記+

遠方にいる認知症の母の備忘録を中心に、日常のあれやこれやを書いています。

認知症母のお薬の管理 ひと工夫で飲み残しがなくなりました

母は現在、朝と夜の2回、食後にお薬を飲んでいます。

血液をサラサラにするお薬と、認知症の進行を遅らせるためのガランタミンです。

 

認知症になる前の母は、薬の管理を自分できっちりやっていました。

私も離れて暮らしていたし、母が飲んでいる薬について、深く気に留めたことはありませんでした。

 

帰省のときに母の薬の飲み残しに気がつく

2年前、母が足の手術をすることになり、ひと月ほど帰省しました。

その時に、飲み残しの薬の袋が、いくつも部屋に残されていることに気がついたのです。

それまでとは明らかに違う母の様子から、最初は「お薬が負担になっているのでは?」と思いました。

 

お薬の飲み残しをなくすためにとった方法

・母の薬の種類、量、飲み方を把握する
・かかりつけの先生に減薬の相談をする  
・受診日には在庫状況を伝え、必要な日数の薬だけをもらう 
・分包袋に日付を記入し、お薬ポケットにセットしておく
・食後にビデオ電話で、母に声かけし、目の前で飲んでもらう  

 

・母の薬の種類、量、飲み方を把握する

 

母がどんな薬をどのくらい飲んでいるのか、自分なりに調べてみました。

母は、書類や明細はすべて捨てずにとっておくタイプです。

病院からの薬の明細もすべて残っており、20年ほどの間の薬の種類、量、その変更に至るまで、遅ればせながら把握することができました。

母は私が思っていたよりも、たくさんの薬を飲んでいました

不整脈の薬、血圧の薬、利尿剤、抗不安剤、漢方……

 

・かかりつけの先生に減薬の相談をする

 

毎月かかりつけの先生に受診して薬をもらっています、

母は、薬が飲み切れずに残っていることを、先生にまったく伝えていませんでした。

母1人では、遠慮があって伝えていなかったのか、うまく伝えることができなかったのかはわかりません。

私が病院に付き添い、母の様子をできるだけ細かく伝えて相談しました。

高血圧だった母は血圧を下げるお薬を何種類か飲んでいましたが、実際に自宅で血圧を測ってみると、むしろ低い数値が出ていました。

食欲も落ちて体重も減っていたので、先生に相談した結果、お薬の量を減らすことになりました。

朝食後と夕食後、それぞれ5種類ほど飲んでいましたが、現在は、朝3種類、夜1種類になっています。

お薬の量が減ったことで、母も飲みやすくなったようです。

 

・受診日には在庫状況を伝え、必要な日数の薬だけをもらう

 

毎月の受診日は、ふだん遠距離にいる私が帰省する日に合わせて、予約しています。

受診の前には、自宅に残っているお薬の量(日数)を調べておきます。

受診のときに、(次の私の帰省に合わせて)翌月の受診予約を入れるので、足りない日数分+αのお薬分だけ先生にお願いします。

(もし予約日に受診できなかった時のことを考えて、10日分ほど余分にもらっています)

「在庫を把握して、足りない分だけをもらう」というシンプルなことですが、家の中に在庫があふれることがなくなりました。

 

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・分包袋に日付を記入し、お薬ポケットにセットしておく

 

お薬の管理はいろんな方法を試してきましたが、母にはお薬ポケットを使う方法が一番わかりやすかったようです。

かかりつけ医の受診から帰ったその日のうちに、私のほうで、もらってきた薬の分包袋に日付を記入します。

朝食後、夕食後、それぞれお薬ポケットの中にセットします。

病院のほうで、朝のお薬には赤い線、夜のお薬には青い線を引いておいてくれるので、ポケットも朝と夜の2つを用意しました。

 

・食後にビデオ電話で、母に声かけし、目の前で飲んでもらう

 

在庫を確認して、お薬ポケットにセット。

これなら飲み残しも把握しやすいし、母にも分かりやすいだろう、めでたしめでたし……と思ったのですが、母の認知症が進むにつれて、それだけでは飲んでもらえなくなりました。

最初はメールで「お母さん、お薬忘れずに飲んでね!」と送っていたのですが、母は読んだことを忘れてしまいます。

ついには、電話で目の前に置いてもらっても、そのまま置きっぱなしになってしまうことが多くなりました。

結局、「母が確実に飲むのを見届けない限り、薬の飲み残しはなくならない」のです。

 

そこで、毎回食後のタイミングをみて、母にビデオ電話をかけることが日課になりました。

朝夕2つのポケットそれぞれに、(赤字で)「朝のおくすり」、(青い字で)「夜のおくすり」と書いたプレートを貼っておきます。

 

私「お母さんの席の後ろをみて。壁にかかってる、お薬のポケットあるよね?」

「『朝のお薬』のところから、赤い線の入った、〇月〇日のお薬出してね」

 

といった具合です。

実際には、その前に、コップにお水を汲んでもらうことから始まります。

 

私「お薬飲むから、流しのところに行って、コップにお水入れてきてくれる?」

 

母「なんのコップでもいいの?」

 「お母さんが飲む、お水を入れればいいの?」

 

私「うん、どのコップでもいいよ」

 「きれいなお水を入れてね」

 

……と、毎回ここから始まります。

薬の袋を切ってもらい、さあ口に入れて……というところで、また何度も確認。

 

母「飲んでいいのね?……飲んでいいのね?」

 

こんな調子なので、薬が無事に母の身体に入っていくのを見届けるまで、気が抜けません。

今のところは、この方法で、飲み忘れと飲み残しを防ぐことができています。

私に出かける予定があって電話がかけられない時は、服薬の時間は少しずれますが、お昼に来てもらうヘルパーさんにお願いしています。

 

毎日2回、タイミングをみて母に電話をかける作業を、正直、負担に感じることもあります。

けれど、遠距離介護の私にもできる、数少ない役目の一つだよなと思っています。

お薬を飲むことが一番の目的とはいえ、ビデオ電話をかけた時の母が嬉しそうなので、これからも続けていこうと思います。

 

本日の備忘録

・帰省の際はお薬の飲み残しがないかチェック
・お薬ポケットは、認知症母にもわかりやすい

 

 

お薬ポケットはこちらを使っています。

ポケットが大きいので、お薬が複数あっても入ります。↓↓