シン・母 遠距離介護日記+

遠方にいる認知症の母の備忘録を中心に、日常のあれやこれやを書いています。

認知症の母に、家族のマイルールを押し付けない

昨晩11時半をまわった頃、母から電話がかかってきて驚いた。

寝る前にスマホを触っていて、履歴に残った私の番号を押してしまったみたい。

かけてきた母本人が、「今、お母さんがかけたの??」と慌てている。

スマホの画面を真っ暗にしたいと思って、いろいろ触っていたらしい。

画面を触る→画面が明るくなる→暗くしたい(画面を消したい)と思って、また触る→最初に戻る

「触らなければ、そのうち消える」ことを、ちゃんと理解していないのだ。

とりあえず、夜中の着信音は心臓に悪いので、やめてほしい。

 

今朝起きて見守りカメラを立ち上げたら、母がお皿を洗っている様子が見えた。

安否確認オッケーということで、私も朝の支度をすませ、出社する夫を見送った。

 

母に、朝ごはんと服薬を……とビデオ電話をかけたら、兄がキッチンにいて、母の洗ったお皿を洗い直しているところだった。

(兄は県外に自宅があるけれど、仕事の関係で実家にいる日もある。朝仕事に出かけ、夜は母が眠った後に帰るので、母のフォローは難しい)

 

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なにやら兄がブツブツ言っているので聞いてみると、お皿がまだ油でギトギトしているとのこと。

怒っているわけではないけれど、『聞いてよー』という愚痴めいたものなんだろう。

 

そのやりとりを聞きながら、母が「お母さん、洗ったけど」と気にしていたので、兄にメールを入れておいた。

 

私「お母さん、洗いグマしてたよー」

 「どの洗剤で、どのスポンジで、とかが分からないんだよ」

 

兄「洗わなくていいのよ。油でベタベタのままだし」

 

家族が洗った食器を洗い直す、というのは「あるある」だと思う。

本人はちゃんと洗ったつもりでも、綺麗に洗えていないというのはよくある話だ。

私が子どもの頃に洗い物を手伝い、ご飯粒が落ちていないとかで、母が洗い直していたことがあった。

立場が逆になったということだ。

 

いっそ何もしてほしくない、余計なことはしなくていい、と思うけれど、それはこちらの都合だ。

汚れたお皿が気になって洗う、という母に残された感情、能力まで否定して奪ってしまったら、母はなんにもできなくなってしまうし、そのうち、自分から行動することをやめてしまうかもしれない。

どんどん認知症が進んだら、困るのは、私と兄なのだ。

 

「余計なことはしないでほしいけど、トイレに行ったり、ご飯を食べたりは1人でやってね」の線引きを母に押し付けるのは、勝手すぎるし、無理な話だ。

 

イライラしてしまうことはあるし、ため息が出てしまうこともあるけれど、危険が伴わないことだったら、それで良しとしなければ。

 

兄とは「イライラするかもだけど、『ありがとう』と言って、黙って洗い直す、が理想だね」ということで落ち着いた。

・母にも意思、気持ちがある

・母の行動を否定しない、奪わない

・マイルールを母に押しつけない

教訓として、忘れないでおこう……