シン・母 遠距離介護日記+

遠方にいる認知症の母の備忘録を中心に、日常のあれやこれやを書いています。

認知症の母 8月18日 朝のビデオ通話の記録

AM6時半。

実家の見守りカメラを確認すると、リビングに座る母の姿。

ここのところ、夜遅くまでテーブルに突っ伏してうたた寝していたけれど、昨日の夜はめずらしく9時前にベッドに入っていた。

きっとよく眠れたはず。

 

AM8時半。

夫が会社に行き1人になったので、iPadで見守りカメラを立ち上げ、リビングの様子を確認しながら、母にビデオ電話をかける。

こうすると、ビデオ通話しながら、母の動きを追うことができるので便利。

夫のハズキルーペをかけ、目を凝らして画面をのぞく。

スマホを寝室に置きっぱなしにして、いくら電話をかけてもつながらないことがある。

そうなると、実家の電話にかけて、母に寝室までスマホを取りに行ってもらうという作業が発生するので、非常に手間がかかる。

母の前に白いスマホが見えたので、まずはひと安心。

 

私が発信してから少し間があって、母のスマホがピカピカ光って着信しているのが確認できた。

(音だけじゃなく光るように設定してから、母が着信に気づきやすくなった。見守りカメラからも着信が目で確認できるので便利)

母もすぐに反応してスマホを手にとる……のだけど、眺めているだけでなかなか出てくれない。

『えっ、分からないのかな?』と焦り出した瞬間に、カチャリと音がして、私のスマホに無事に母の顔が映った。

 

お母さん、おはよ~(ニッコリ)

〇〇さん、おはよう~(ニッコリ)

良かった、元気だ。体調も悪くなさそう。

母のニッコリにひと安心する。

私も時間に余裕があるし、母も体調に問題なさそうなので、歯磨きと洗顔から声かけする。

 

お母さん、歯磨きしようか~

歯磨き……。お母さん、磨いたかも?

まだじゃない?とりあえず、流しまで行って磨こうか

私は母が自分から歯磨きすることはないだろうと思っていたのだが、この間カメラをのぞいたら、母がちゃんと自発的に歯磨きをしていた。

『あらら、本当に歯磨きしてた』とびっくりしたのだが、毎回のことではないし、ずっと母を見ているわけにもいかないので、どのくらいの頻度で母が自分で歯磨きをしているのか分からない。

3回に1回くらいは、母の自信なさげな「磨いたと思う……」をそのまま受け取ることもあるが、たいていは、私の声かけで歯磨きをしてもらっている。

髪が濡れないようにヘアバンドをつけてもらったり、メガネを外したりかけたり、動作の一つ一つに声かけが必要になってきた。

流しまで到着した母がまごまごしているので、母に聞こえるようにスマホの前で声を張り上げる。

歯ブラシと歯磨き粉の位置を伝えて、ようやく歯ブラシを口に入れたのを確認。

母は歯磨きと洗顔はセットで覚えているらしく、そこはスムーズに声かけなしで動作が進んでいく。

 

さあ、次は朝ごはんだ。

母はなかなか水分を摂ってくれないし、何かお腹に入れないとお薬が飲めない。

お母さん、朝ごはん食べようか~。冷蔵庫にあるジュースとってきてくれる?

私の「ゆっくりね。立つ時は足をそろえて」とか、母の「イタタ……お母さん、足が痛いから」とか「ジュースってどれかしら?」「お母さん、それは違う、違う」とかを繰り返し、母の朝ごはんのジュースやバナナ、ヨーグルトなんかがようやくテーブルに並べられる。

ここまで約20分。

 

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母が朝ごはんを食べたり飲んだりしている間、同じ番組にチャンネルを合わせて、なんとなく会話する。

母は気が散るのか集中して食べようとしないので、「お母さん、もう少し食べて」とか「慌てないでいいから」とか、そんな感じだ。

 

簡単な朝ごはんがようやく終わり、やっと本命のお薬。

母に水を汲んできてもらい、お薬ポケットから日付の入った薬を取り出してもらい、テーブルにつく。

ここでも、「お母さん、赤い線の入ったお薬から先に飲んで」「これでいいの?」「いいよ」「お水が先?」「どっちでもいいんだよ」という会話があり、母が薬を飲み終えると、本当にようやくひと安心。

 

時計を見ると、1時間近く経って、洗濯も終わっている。

早く干さねば。

 

もうゆっくりしていていいからね。また後で電話するー

ここには来てくれないの?

〇日に行くよ。あと〇日だからすぐだよ。

 

電話のたびに繰り返される、お決まりの会話。

最初はイライラしたけど、こんな感じのやり取りにも慣れてきた。

今は離れたところにいるからで、一緒にいたらやっぱりイライラしてしまうと思うけど。

母がようやく納得したので、「じゃあ、私から切るねー」とビデオ通話終了。

少しタイムラグがあるらしく、見守りカメラの中の母は、笑顔でまだ手を振っている。