昨日は、起きた瞬間から体調が悪かった。
目が覚めた時はまだ部屋の中が薄暗くて、いつも先に起きている夫も隣で眠っていた。
『寝てていいんだ』と思い、寝返りを打とうとして、頭が妙に重たいことに気がついた。
喉もカラカラになっている。
枕の上で首を左右に動かしてみると、ズーンとした鈍い痛みが頭に伝わった。
目覚めた瞬間に体調不良に気づくのは、本当に気持ちが下がる。
お水飲もうかな……と思ったけれど、頭が持ち上がらない。
あきらめて、また眠った。
夫に起こされたけれど、なかなか起き上がれなかった。
『台風の気圧のせい?』とか『寝違えた?』とか考えたけれど、クッションに腰かけ、目を閉じて(半分寝ながら)ゆっくり歯を磨いているうちに思い出した。
前の晩、夫が「エアコンの風を、頭のほうに当てたい」と言うので、枕の向きを上下逆にして布団をひいた。
(今の部屋では折りたたみマットレス使用なので、方向は自由自在なのです)
私の頭の横に夫の足、というのも落ち着かないし嫌なので、私も一緒に逆向きに。
これが多分良くなかった。
私の頭に、冷風が直撃したらしい。
肩まわりや首筋が、芯から冷えて凝り固まってしまったようだ。
おまけに鼻炎持ちなので、寝ている間に口が開いてしまうことが多い。
喉がカラカラに乾いていたのも、そのせいだろう。
頭を動かす度に、首筋にピリッとした痛みが走る。
頭の血管が膨張したようになって、ふだんなら気にならない、脈を打つドクンドクンとした振動がやけに感じられる。
神経が、ものすごく敏感になっているのだろう。
元気な時は忘れているのだが、体調が悪いこんな日は、『身体が楽に動くって当たり前のことじゃないよね』と殊勝な気持ちになる。
首筋や肩の張りとセットになった頭痛は、動いているうちに血行が良くなるのか、少しづつ楽になることも多い。
小林製薬の「塗るズッキノン軟膏」(常備薬。個人的には結構効くと思う)を首と肩にすりこみ、湿布の香りに包まれたら、少し気分が良くなった。
朝からそんな風だったので、目にも、会話する声にも力がこもらない。
夫に「機嫌わるー」「元気出してよー」と言われる。
夫は私の「体調不良」と「機嫌」を一緒くたにしてしまうことがよくある。
「悪いのは、機嫌じゃなくて体調……」と返しながら、ノロノロ朝の家事をすませ、2人で外出。
本当ならゆっくりしたかったけれど、夫がお盆休みで、午前中は用事に付き合う約束をしていた。
スポンサーリンク
電車を降りて歩いていても、日差しが目に刺さるように眩しい。
無理に目を開けようと頑張ると、まぶたがピクピクして涙が滲んだ。
サングラスを持って出なかったことを悔やんだけれど、いつもこうだ。
肝心な時に、サングラスを持っていた試しがない。
別のカバンに入れてあったりして、たいてい忘れてくる。
せっかくいいものを買っても、タイミングよく使わなければ全く意味がない。
店内の鏡に映り込んだ自分の顔に気づき、ぎょっとする。
下のアングルからのそれは、照明の影と顔のテカリでホラーみたいになっている。
わー、ひどい……
表情どんより、クマが目立ち、えらく老け込んでいる。
照明のせい、体調のせい……にしたかったけれど、これが現実なのね。
確実に歳をとっていることを、改めて自覚。
2時間程で帰宅し、残り物で簡単にお昼をすませ、1時間程、横になった。
起きたら頭痛はいくぶん和らいでいたけれど、首筋と肩は相変わらずカチカチ。
手で触っても冷たいし、どうにかほぐそうとしても、全然指が入っていかない。
ストレッチをしてみても、ハンドマッサージャーを押し込んでみても、柔らかくなる感覚がなかった。
夫は日課のジムに出かけたので、夕飯まで時間があった。
外食することになっていたので支度はないし、気は楽だった。
『お風呂入ろうかな』と、めずらしく思った。
私は夏のお風呂が苦手で、いつもシャワーで済ませてしまう。
お風呂は疲れてしまうことも多いし、暑い中、熱いお湯に浸かりたいという欲求もあまりない。
夫はふだんジムでお風呂に入ってくるので、自分1人のためにお湯をためるのも……というのもある。
そんな自分が『お風呂に入りたい』とは、よほど身体が冷え切っていたのだろう。
のぼせないように温度を1℃下げてお湯をため、ラベンダーの精油を入れた。
以前、アロマセラピーの講座に通っていた時、ラベンダーは副交感神経を優位にして自立神経も整えるので頭痛にいい、と習った。
逆に、ローズマリーは交感神経を活発にすると教わったので、ラベンダーとローズマリーの精油だけはいつも部屋に置いておき、体調に合わせて使い分けている。
(無印のアロマオイルは精油100%で安心だし、どこでも買えるのがいいです)
浴槽にゆっくり入ると、お湯の熱がじわじわと身体の中に伝わって、すぐに手足が真っ赤になった。
『お風呂ってこんなに気持ちよかったっけ?』と久しぶりのお風呂の温かさを味わう。
肩が冷えないようにタオルをかけ、タオルの上からまたお湯をかけて、手で揉みほぐす。
カチカチの身体がゆるむと、気持ちもゆるむ。
1人でゆっくり湯舟につかるのはすごく贅沢な気持ちがするし、お風呂ってこんなにリラックスできるのか……と久しぶりの感覚を思い出した。
疲れすぎないように注意して、髪を洗ったり、身体を洗ったりしながら3回ほど湯舟に浸かる。
上がる頃には身体がポカポカし、ほとんど気にならないくらい頭痛が治まっていて、何より気分が本当にスッキリした。
汗が噴き出すけれど、それもなんだか気持ちがいい。
スチーム効果で、カサカサだった喉も肌もしっとり潤って、どす黒かった顔の血色もよくなった。
あんなに夏のお風呂が苦手だったのに、意外だった。
ご飯を食べに出かける頃には、身体はすっかり楽になっていた。
「機嫌直ったんだ」と夫は嬉しそうだったが、相変わらずズレている。
「冷えにはお風呂」という基本的なことを遠ざけていたけれど、これからはもっとお風呂に入ろうと思った。