シン・母 遠距離介護日記+

遠方にいる認知症の母の備忘録を中心に、日常のあれやこれやを書いています。

老化と痛み、自分で感じて初めて気づくこと

お風呂上り、左耳上あたりの頭皮がちょっと痒いなぁと思い、湿疹でもできていたら嫌だなーと鏡の前で髪をめくってみたら、白髪がそこだけ一気に増えていて、思わず「あらら……」と声が出た。

分け目あたりの白髪はあったけど、髪が多くて厚みがあるので、下のほうまでは気にしていなかった。

歳のわりに白髪は少ないんじゃないかと思っていたけれど、単に気がついてなかっただけなのか。

以前にも、白髪が増えた時期と頭皮が痒かった時期が重なっていたことがあったけど、なにか因果関係があるのかな。

 

50過ぎという年齢は皆さんそうなんだろうけど、最近、すごい勢いで老化が進んでいるのを感じる。

人間の身体っていうのは歳に忠実だよね、素直だよね、と感心すらおぼえる。

白髪や老眼はいうまでもなく、最近は身体の中の女性ホルモンが減っているのを実感。

3ヵ月程前に突然始まった「ばね指」がそれだ。

朝起きて、なんか左の中指の動きがおかしいな……スムーズに動かせないな……となり、最初は起き抜けだけの現象だったのが、1日を通して起こるようになった。

手指専門の整形外科に行って検査をしてもらった結果、「ばね指」という診断に。

一度折り曲げるとなかなか元の位置に戻らず、無理に戻そうとすると「ガクン」と言う感じで「ばね」のように跳ね上がる。

エストロゲンが少なくなってくると起こりやすくなるんだとか。

 

スポンサーリンク

 

 

 

中指1本とはいえ、曲げて固まったまま動かせない状態になると、思った以上に不都合が出る。

今朝は、サプリメントを飲もうと左手に数粒出し、握って口に運ぼうと思った瞬間に中指が動かなくなって、サプリを床に落としてしまった。

あまり意識したことがなかったけど、物を握る時に、真ん中に位置する中指の役割は大きいのだ。

炭酸水のペットボトルのフタを開ける時もそうだ。

フタ自体は右手で開けるから問題ないようだけど、開けるためには左手でしっかりと本体を握っている必要がある。

中指が1本使えないと、まったく力が入らないのだ。

90歳を過ぎた義母がペットボトルを開けにくそうにしていたのを思い出し、『歳をとるって、こういうことなんだなぁ』としみじみしてしまう。

 

数日前からは、左の腰に痛みを感じている。

立って歩くのには困らないけれど、椅子に座ったり、眠る時に布団の上に座ったりする姿勢がつらい。

 

なんだろう。

歳上の夫に老眼が始まった頃、私にはまだなんの兆候もなく、「大変だなぁ」とは思ったものの、全くの他人事だった。

叔母が腰痛に悩んでいることを聞いたときも、「かわいそうだな」と心配しながらも、その痛みを想像したところで、分かってあげられるわけではない。

コロナにしても、インフルエンザにしても、実際に自分が熱で苦しんでみて、初めて思う。

「あー、これはしんどいわ。みんな辛かったんだなー」って。

痛みやしんどさは自分が経験するまで分からないし、その程度や感じ方だって人それぞれで、人の数だけ「痛み」は存在するんだろう。

 

股関節に人工関節を入れている母は、よく足の痛みを訴える。

整形の先生によると、レントゲンには何の問題もなく、座っている時間が長いことによる筋肉のこわばりが原因じゃないかと言われている。

実際、母が痛みを訴えるのは立ち上がりの時だけで、歩き始めてしまえば痛みは治まる。

週に一度マッサージなどの訪問リハビリも受けているし、針やらなんやら試してみたけれど、今のところ痛みを完全に取り除く方法はないようだ。

だから、ついこちらも痛みの訴えに慣れてしまっているというか、「その痛みは(我慢するしか)しょうがないんだよ」的な反応になってしまう。

 

でも、母は痛いのだ。

私は痛くないから「しょうがないよね」ですませられるけれど、母は痛いのだ。

痛みは行動を抑制するし、気持ちもふさぐ。

痛みがなく自由に動けるって、本当に幸せなことだ。

自分に痛みがない時は、自分が痛かったことすら忘れているけれど、「母の痛み」も「ないこと」にしてはいけないよね。

それは、忘れちゃいけないなと思う。